映画  アミアン国際映画祭 (3)
07/12/201516:37 Yusuke Kenmotsu

ピカルディー博物館探訪
 
どんよりとした曇り空のアミアン。映画祭の上映は9時半からあるのですが、本日も買い物や散策というルーティーンをこなし、映画は14時から。


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© Kenmotsu Yusuke

今日は映画までの時間にピカルディー博物館に行きました。入場料は大人5.5€、25歳以下は無料のようです。あまり大きくはありませんが、中世の彫刻や古代美術品などたくさん展示してありました。中でも目を引くのが中央の大きな部屋で展示されている絵画です。その展示の仕方は果たして正解なのかと問いたくなるような、部屋の壁面を天井近くまで大胆に使った並べ方で、その迫力は一見の価値があります。あれだけ巨大な絵をあんな位置に置くと部屋の反対側から見ないと全体が見えない。反対側まで行くと絵の解説が見えないので近づく。近づくと見上げないといけないので見づらい。やっぱり反対側まで離れると、天井に設置された照明が反射して見づらい。とはいえ数十作ほど置かれた広い部屋で、それぞれの絵に最適なポジジョンを探し当てながら一作一作と対峙するのもなかなか乙なものです。
2階にはフランスの歴史画家トマ・クチュールの特集があり、こちらは12月3までの展示のようです。
 
映画祭に来ると食事も映画の時間に合わせてしまうので、近場でパンを買って食べるなどということもしばしばですが、今日はピカルディー地方の郷土料理フィセル・ピカルドをいただきました。グラタンのような見た目でグツグツといいながらやってきた料理は熱々で美味でした。中にはきのこや大きいままのハムが入っているので火傷に要注意。
 
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© Kenmotsu Yusuke

今日観たコンペティション部門の2本の作品はどちらも秀逸でした。
1本目はブラジルのアリー・ムリティバ監督の『PARA MINHA AMADA MORTA』。最愛の妻を亡くした男が懸命に息子と生きていくのだけれど、妻の部屋で見つけたVHSテープを見てしまい、全てが変わってしまうというサスペンス。舞台がリオデジャネイロやサンパウロではなく、生々しいブラジルを描いているのも本作の特徴。

もう1本はウルグアイのフェデリコ・ヴェイロ監督の『EL APOSTATA』。共同脚本の1人アルバロ・オガーラが映画初出演で主演をしています。題名の通り背信者を扱う本作は、カトリックに縁のない私には少々難解ですが、ちょっとしたユーモアもあり映画として十分楽しめます。舞台挨拶の際、ルイス・ブニュエル監督の作品が引き合いに出されたように、少々ブラックでカフカ的な不条理コメディです。
 
映画が終わるとかなり強めの雨が降っていて、傘など持っていない私はびしょびしょになってしまいました。アミアンについて数日、晴れる時間もありますが、雨の降らなかった日はありません。これだけは口にすまいと心がけていたけれど、我慢できずそっとつぶやくずぶ濡れの夜。
アミアン、雨やん…。

1982年生まれ。京都市在住。 古今東西の映画や国内外の映画祭を愛す。 フランス映画に惹かれたきっかけは、印象派絵画の巨匠オーギュスト・ルノワール の次男坊という興味で観始めたジャン・ルノワール監督作品との出合いから。 人生の悲喜交々を、自然や天候と戯れるような大らかさや女優たちへの少しばかり 淫らな視線、画面の構図、色彩感覚といった父親譲りの才能で描き出された彼の 作品群で映画の歓びを知る。 フランス映画以外ではアメリカのフィルム・ノワールや西部劇が特に好み。 映画検定一級取得。

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