映画  アミアン国際映画祭 (2)
26/11/201515:50 Yusuke Kenmotsu

ヴェルヌの家探訪
 
映画祭での映画鑑賞は1日3本程度にして(本気で詰め込めば日程的に恐らく6本は観られる)、天気がいいので散歩をしました。そしてマルシェへ。24時間営業のコンビニのないこの国では、時間を見つけて、食料を買い込んでおかないと、夕方から映画を観始めるとほとんどのお店が閉まってしまいます。どこの国に行ってもスーパーに入るとわくわくしてしまいますが、フランスのマルシェは野菜や果物、お菓子から洗剤までじっくり見て回っているだけで時間を忘れてしまうほど楽しい場所です。近場で5~6店舗回って、店の大きい小さいや品揃え、立地や価格などで、なんとなくお気に入りのお店などを考えています。次にあのお店に行った時に、まだトマトがあの値段ならば迷うことなく買うぞと決意した午前中のお散歩でした。


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IMG_0475.JPG旅のお供にと日本から持参した小説はジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』。少々子供じみたチョイスかもしれませんが、これがめっぽう面白い。そしてアミアンはヴェルヌが晩年を過ごした場所なので、駅から1キロ以内の場所にヴェルヌの家や、彼が建てたサーカス場、彼の名前を冠した大学などがあります。現在、ジュール・ヴェルヌ通りは歩く隙間がないくらい道路工事を行っていますが、家は通常通りオープンしています。大人は7€で入場でき、外国人には英語で書かれた冊子も貸してくれます。中は3階建てで、実際に使われていた部屋や調度品を見ることができ、ヴェルヌや彼の妻の肖像画や多くの作品など様々な物が展示されています。映画ファンには『海底二万哩(1954)』や『80日間世界一周(1956)』の原作としてお馴染みのヴェルヌ。彼の原作の映画作品もたくさん展示されているので見入ってしまいますし、見入っていてもさほど邪魔にならない程度のお客さんの数なので、ゆっくりすることができます。
 

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さて、映画の方はというと、コンペティション部門で観たルーマニアのアカ・ダミアン監督『La Montagnu magique(魔法の山)』が素晴らしい。この監督は今作で長編4作目。これまで実写とニメーションを交互に撮ってきた監督が、今作ではポーランドの詩人の伝記を実写とアニメを掛け合わせてドキュメンタリーとして描いています。


様々な種類のアニメーション(水彩画やコラージュ、ダンボールを使ったものやガラス板にマジックで描いたもの等)と戦争や紛争など過去のフッテージとを掛け合わせ、個人の生き様から近代史や難民の問題に迫る意欲作について、もう少し深く考えていたいなぁと思いながら、21時45分からのブライアン・デ・パルマ監督の『ボディ・ダブル(1984)』へ。なぜか未見だった本作は、ヒッチコックの『めまい』や『裏窓』を元ネタにしながら、その模倣はあまりに過激で過剰。エロスとバイオレンスに塗れたこのサスペンス映画は、多くの観客と観てこそという作品です。褒め言葉としての、笑えるサスペンス映画です。
 
劇場内があったかいというのもあり、外に出ると本当に寒いです。当然開いているお店などもう無く、午前中の買い物が正解であった確信するアミアンの夜中。

1982年生まれ。京都市在住。 古今東西の映画や国内外の映画祭を愛す。 フランス映画に惹かれたきっかけは、印象派絵画の巨匠オーギュスト・ルノワール の次男坊という興味で観始めたジャン・ルノワール監督作品との出合いから。 人生の悲喜交々を、自然や天候と戯れるような大らかさや女優たちへの少しばかり 淫らな視線、画面の構図、色彩感覚といった父親譲りの才能で描き出された彼の 作品群で映画の歓びを知る。 フランス映画以外ではアメリカのフィルム・ノワールや西部劇が特に好み。 映画検定一級取得。

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