文化  Au bonheur des ogres
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11月11日(月)放送の「La Grande Librairie」にて紹介された作品をご紹介します。
 
Titre : Au bonheur des ogres
Auteur : Daniel Pennac
Editeur : Folio
 
11月11日放送のTV5monde文学番組「La grande librairie」は充実した内容で大変面白かった。「映画と文学」をテーマに、映画監督や作家らが息つく間もないほど映画への情熱を語っていた。そのうちの一人、ダニエル・ペナックの作品が今回紹介する本である。
 
本作「Au bonheur des ogres」は1985年に刊行された、マロセーヌ・シリーズの第一作目となる。現実の世界とファンタジーの世界を行ったり来たりする、メタファーを多用したスタイルが独特の作品だ。
 
デパートで働くマロセーヌ一家の長男バンジャマン。表向きの肩書は「テクニカル・サービス係」だが、実はBouc emmisaire 「贖罪のヤギ」。商品クレームにきた客前で「担当者」として呼びつけられ、全責任を負わされ、客が同情するまで上司に罵られる。客の怒りを憐憫に変え、クレームを取り下げさせるのが本当の仕事。そんな聖人のようなバンジャマンが働くデパートで起こった連続爆弾殺人事件。犯人そして6人の犠牲者とバンジャマンとの関係は?推理小説仕立てで物語は展開していく。
 
シンプルな推理小説とは違う点は、登場人物のユニークさ。とことん「いいひと」のバンジャマンを筆頭に、産むか産まないか迷っている妹ルナ、写真狂の妹クララ、爆弾を自作してしまう弟ジェレミー、人食い鬼のサンタクロースを描き続ける末弟そしててんかんの発作がある犬ジュリウス。一風変わったマロセーヌ一家だけではなく、ジュリア「おばさん」や同僚のテオ、ザブー女王など登場人物がそれぞれオリジナルのキャラクターを持っている。爆破した死体や人食い鬼などグロテスクなシーンがある一方、登場人物のキャラクターや会話がユーモアにあふれていて、それがシンプルな推理小説とは一味違う作品にしている。
 
ダニエル・ペナックは国語の教師でもあるゆえ、話し言葉やメタファーを巧みに多用し、リズミカルな文体を描くのが上手い。ペナックが「作品のリズムを見事に再現していた」と語る映画の日本公開も待ち遠しい。
 
 
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