文化  向かい風:Des vents contraires
向かい風:Des vents contraires

10月にTV5MONDEで放送される映画『向かい風 Des vents contraires』の原作をご紹介します。
 
Titre : Des vents contraires
Auteur : Olivier Adam
Editeur : Points 
 
[紹介文]
海岸沿いを歩く恋人たちや浜辺で遊ぶ子供たちをみて笑っている家族。幸せを絵に描いたような光景。だが、それぞれの登場人物の心の中には逆風が吹き、倒れまいと必死に生きている。
 
最愛の妻が失踪してから一年。子供たちの日々の変化に気づきながらも何するすべもなく毎日を送るポール。故郷ブルターニュの街サン・マロに帰り自分を取り戻そうとするがそこでも逆風が押し寄せる。
 
サン・マロは城壁で取り囲まれた、イギリス湾に面した港町だ。オフ・シーズンには観光客も減り、冬には冷たい風が吹き荒れ、海の表情も一変する。秋から冬にかけたサン・マロの原風景とポールの繊細な心の機微を時には優しく、時には激しくシンクロさせて物語は進行していく。
 
作品を通して使われている言葉は詩的でかつシンプルである。ポールの繊細さを実にうまく表現している。毎日変化する波の音、渡り鳥たちの鳴き声、港特有の賑やか音がページ間から聞こえてきそうだ。
 
アメリー・ノートン、ジャン=フィリップ・トゥーサンなど日本贔屓のフランス人作家がいるが、オリヴィエ・アダンのそれはもっとメランコリーでハーフ・トーン独特の世界観がある。京都在住の友人や子供たちと相撲ごっこをするなど作品の重要な局面で日本が挿入されているのも興味深い。 « Kyoto limited express » «Le coeur reglier »などほか作品にも日本への特別な思いが感じられるので必読だ。
 
フランスにある20の書店から選考される、「本のプロが選んだ」文学賞Prix RTL-LIREの2009年最優秀作品を受賞した本作。ぜひこの機会に一読ください。
 
【欧明社ホームページ掲載ページ】
 
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