フランスライフスタイル  フィリップ・オーギュストの城壁
10/03/201609:37 三上功
 
パリ最初の城壁


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マレ地区のギャラリーが集まるヴィラージュ・サンポール辺りを歩いていると、不意に古いお城のような壁が現れます。これは12世紀に造られたパリの城壁跡。1180年に即位したカペー王朝のフィリップ2世(尊厳王)は、イギリス軍の侵入からパリを守るために1180年から1210年にかけて堅牢な城壁を作りました。これがパリで初めて造られた「フィリップ・オーギュストの城壁」です。高さ10メートル、幅3メートルの頑丈なもので、見張り塔が60メートルごとに置かれていたと言われています。ルーヴル美術館の元になった要塞も、最初はこの城壁の一部でした。

 
フィリップ・オーギュストの城壁の一部が、今もマレ地区に残っており、リセ・シャルルマーニュという高校の一部になっています(写真)。1946年にたまたま発見されたこの中世の城壁は、造りが頑丈なため700年以上もの間民家の壁の中に眠っていました。しかも2つの半円形の見張り塔も当時のまま残されており、パリに残る城壁跡の中でも最大のものです(見張り塔が完全な形で残されているのはここだけ)。また、当時城壁をめぐらした際に、城壁の東と西の端に城塞(ルーヴルとネールの塔)が建てられましたが、西にあったルーヴル城塞は現在世界一有名なルーヴル美術館になっています。つまり中世のパリでルーヴルは東の端だったことになりますね。中世のパリはシテ島を中心にした小さな城壁都市でした。城壁の近くにはサンス館もあり、中世の雰囲気を味わうことができます。 
 
 
フィリップ・オーギュストの城壁
パリ4区に残る12世紀頃の城壁
住所:rue des Jardins-Saint-Paul 75004 Paris
最寄りメトロ:サン・ポール(Saint-Paul) 
 
フィリップ・オーギュスト(フィリップ2世、フィリップ尊厳王)
ルイ7世の子供で、1180年に即位したカペー朝の国王。イングランド王家との戦いに勝利し、フランス領土を取り戻した。パリの道路の舗装、城壁の造営、ノートル・ダム大聖堂の建設(継続)、パリ大学創設への協力を行った。フランス最初の偉大な王として尊厳王(オーギュスト)と呼ばれている。 
 
東京出身。慶應義塾大学文学部卒。 大学時代に写真撮影を始める。2007年、パリに一年間滞在して写真を制作。 以後毎年パリへ出かけ、変化し続けるパリと変化しないパリを撮り続けている。 他にパリを舞台にした小説を書いている。 (http://www.geocities.jp/kcc_newair/novel.htm)

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