文化  アメリのパリ観光|Paris Spot of Amelie
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アメリの歩いたパリ

日本でも人気になったフランス映画『アメリ』(原題:Le Fabuleux Destin d'Amelie Poulain)。親の勘違いから学校へ行かせてもらえなかった少女アメリは、コミュニケーションの不得意なまま成長し、空想好きな女性としてモンマルトルのカフェで働き始めます。周りの人に幸せを分けてあげることが好きな反面、面と向かって人と話すことができないアメリ。そんなある日、他人の証明写真を集める変わった趣味を持つ青年ニノとの出会いから、彼女の人生は少しずつ前へと進み始めます。 世界中の女性や映画愛好者の共感を集めた『アメリ』は、不思議な恋愛映画であると同時に監督独自のタッチでフランス人のリアルな生活が描かれたフランス映画です。その映画の舞台になったパリの風景は今でも変わらずにそこにあります。アメリの歩いたパリを求めて一緒に散策してみませんか?


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アメリの舞台になったパリ・モンマルトルって?
 
アメリの舞台はパリ。映画ではパリ市内の様々な場所が登場しますが、メインとなるのは彼女が働いているカフェのあるモンマルトル。そこはどんな場所なのでしょう。
 
モンマルトルはパリの右岸18区にあるパリで一番高い丘。今でこそ有名観光地ですが、19世紀まではブドウ畑と風車が回るひなびた農村でパリの郊外でした(1860年、パリの街の拡大によってモンマルトルはパリ市の一部になります)。19世紀の半ば、パリ改造で整備されてしまったパリ中心部から逃れるように多くの芸術家たちがモンマルトルの丘に集まり、まだ残る農村風景をカンバスに描きました。そして19世紀の末には、自由奔放な芸術家たちの溜まり場となりました。しかし1914年以降は、多くの芸術家たちが活動拠点を左岸のモンパルナスに移してしまったため、芸術家の溜まり場としての人気は寂れていきます。現在では観光客に人気のパリ観光地として栄え、『アメリ』の映画に出てくるような下町的な陽気な雰囲気が残っています。
 
サクレ・クール寺院の立つ丘の上からのパリパノラマは美しく、10月にはブドウ祭りが開催されます。もっともパリらしいエリアの1つと言えるでしょう。アメリの日常生活を追って、モンマルトルへ出かけてみませんか? 

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アメリのパリ観光1:アメリのカフェ
 
パリのカフェはたくさんありますが、日本人にもっとも有名なカフェといえるのがカフェ・デ・ドゥ・ムーラン。下町モンマルトルのルピック通りにある地元の人に人気のカフェですが、フランス映画ファンにとってジャン=ピエール・ジュネの人気映画『アメリ』のカフェとして知られています。
 
実家を出たアメリはパリに来てこのカフェで働き、様々な人と出会います。おしゃべりの多い同僚と風変わりな客を無理やり結びつける仕掛けをしたのもこのカフェで、あの有名なグラスが揺れるシーンが生まれました。店内には映画「アメリ」のポスターも飾られていて雰囲気満点。映画の中で主人公アメリが食べていたクレーム・ブリュレは店の人気商品です。監督自身もよくこのカフェに行くらしいですが、カフェを訪れた日本人女性には未だに監督だと気づいてもらえないことが多いそうです。アメリが働いているところを想像しながらこのカフェを訪れてみるのもいいかもしれません。 

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アメリのパリ観光2:アメリの入った映画館
 
『アメリ』のワンシーンで、アメリが映画館に入って観客の顔をこっそり眺める場面があります。その舞台となった映画館がステュディオ28。ジャン・コクトーによって設計された上映室のカーテンと椅子は赤で統一され、『アメリ』の世界にもよく合っています。
 
ステュディオ28は1928年にオープンした老舗の映画館です。映画がサイレント(無声)からトーキーに移りつつあった1920年代後半、ハリウッドによる商業映画がフランスに押し寄せていました。無類の映画好きの医学生だったジャン=プラシッド・モークレールは、芸術としての映画を上映する場所がなくなることを恐れてトロゼ通り(rue Tholoze)10番地のキャバレーを買い取り、そこに前衛映画を上映する映画館ステュディオ28をオープンさせました。名前の28はオープンした年である1928年にちなんでいます。 

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アメリのパリ観光3:アメリが出かけたサクレ・クール寺院
 
『アメリ』のワンシーンで、アメリが気になった男の子ニノ・カンカンポワをモンマルトルの丘に呼び出す場面があります。不器用な彼女は面と向かって彼に話しかけることができず、謎めいたメッセージを彼に残して、彼の行く末を遠くから見つめます。その舞台となったモンマルトルの丘の上にそびえるのがサクレ・クール寺院。
 
サクレ・クール寺院は普仏戦争(1870-1871)の戦没者を慰霊するためにカトリック教徒たちの献金によって造られた寺院です。完成は1914年。20世紀の始めに芸術家の集まったモンマルトルの丘の上に立っています。パリで一番高い場所でもあり、パリのいたるところから見ることができます。白亜の寺院のため日の光が当たると輝いているように見え、その美しい白さはパリの人たちに元気を与えています。
 

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アメリのパリ観光4:アメリが石切り遊びをしたサン・マルタン運河
 
映画の中でアメリは道端に落ちている気に入った小石を見つけてはポケットに入れて持ち歩いています。それは石切り遊びをするため。アメリはパリのサン・マルタン運河で石切り遊びをして一人の時間を過ごします。
 
サン・マルタン運河はパリの東に流れる小さな運河。静かで雰囲気のよい運河沿いはゆったりとパリ散歩したい方にぴったりです。サン・マルタン運河のあるパリ10区と11区は、活気あふれるパリの下町エリア。全長は4.5キロで、北のヴィレット公園の前にあるヴィレット貯水池とバスティーユ広場から先のセアルスナル港をつないでいます。運河上流のヴィレット貯水池の先はウルク運河になり、下流のアルスナル港の先はセーヌ川となっています。セーヌと違い、わずか5キロの中に25メートルもの高低差があるため、途中に9つの閘門(水位調節用の門)があります。船が来ると水門が開き、水位調節のために水が滝のように噴き出します。その様子を周りの人々が楽しそうに眺めています。アメリのようにゆっくりと自分だけの時間を過ごしにサン・マルタン運河へ出かけてみてはいかがでしょうか。

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アメリのパリ観光5:八百屋コリニョン
 
アメリのカフェ近くのトロワ・フレール通りを歩いていると、Y字路の角に赤色の庇を持つ食料品店があります。ここは映画『アメリ』に出てきた八百屋コリニョン(Collignon)として使われたお店。正式な名前はAu Marche de la Butte(丘の市場)ですが、看板の上には映画で使われた看板「Maison Collignon(コリニョンの家)」がそのまま残されています。コリニョンは『アメリ』に登場する八百屋の店主の名前で、アメリと同じアパートの住人。頭は弱いが心の優しい店員リュシアンをいつも馬鹿にしていて、見かねたアメリはコリニョンにあるいたずらを仕掛けます。実際のお店にコリニョンはいませんが、映画の雰囲気を味わいに出かけてみるのもいいかもしれません。アメリ・プーランの名前の由来となったチョコレートや新鮮な果物・野菜を買うことができます。 

アメリのパリ観光6:パリ東駅
 
他人とのコミュニケーションがうまくできないアメリが青年ニノと出会うきっかけとなったのがパリの東駅。ニノは駅構内の証明写真ボックスで利用客が捨てていった失敗した証明写真を集めるのが趣味。アメリと目が合った時も、駅構内の証明写真ボックスで失敗写真をかき集めていました。彼が謎の男を追ってコレクションしていた証明写真のアルバムを落としてしまい、アメリがそれを拾うことで物語は新しい展開を見せていきます。 

東京出身。慶應義塾大学文学部卒。 大学時代に写真撮影を始める。2007年、パリに一年間滞在して写真を制作。 以後毎年パリへ出かけ、変化し続けるパリと変化しないパリを撮り続けている。 他にパリを舞台にした小説を書いている。

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